顔や首にあるほくろ、ずっと気になっているけれど「皮膚科と美容外科、どっちに行けばいいの?」と悩んでいませんか?
実は、ほくろ除去を検討する際に、皮膚科と美容外科のどちらを選ぶべきか迷う方はとても多いのです。
結論から言うと、悪性の可能性がある場合や費用を抑えたい場合は皮膚科、傷跡の目立たない美しい仕上がりを最優先したい場合は美容外科を選ぶのがおすすめです。
編集部本記事では、皮膚科と美容外科それぞれの違いを詳しく比較し、費用や保険適用の条件まで徹底解説します。
さらに第三の選択肢として注目される形成外科についても触れ、あなたの目的に合ったベストなほくろ除去方法を一緒に考えていきましょう。
ほくろ除去がおすすめのクリニックを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ほくろ除去は皮膚科と美容外科どっちを選ぶべき?
ほくろを取るなら皮膚科と美容外科のどちらが良いのか?まずこの疑問から解消していきましょう。
皮膚科と美容外科では治療の目的やアプローチが大きく異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは両者の違いと、自分の目的に合った選び方を整理していきます。
ほくろ除去における皮膚科と美容外科の違い
ほくろ除去を行う診療科によって、治療方針や重視するポイントが異なります。主な違いをまとめると、以下のようになります。
- 治療の目的: 医療的に取るべきほくろを必要最低限の方法で除去。健康上必要な処置を最優先。
- 保険適用: 悪性の疑いがある場合や生活上支障がある場合に適用される可能性あり。
- 施術方法と設備:
- メスでの切除手術やくり抜き法、病理検査
- 液体窒素での焼灼
- クリニックによっては炭酸ガスレーザーも対応
- 医師の専門性: 皮膚疾患全般の専門家。悪性黒色腫など皮膚がんの診断能力に長ける。
- 治療の目的: 見た目を美しく整えることが主目的。仕上がりの美しさを重視。
- 保険適用: 基本的に美容目的の自由診療となり保険適用なし(全額自己負担)。
- 施術方法と設備:
- 最新レーザー(ピコレーザー、CO2レーザー)
- 高周波メス
- 極細針での麻酔
- 傷跡が目立たない縫合技術
- 医師の専門性: 美容目的の施術が中心。悪性ほくろの見極めや対応がやや弱いクリニックもあり。
編集部このように「皮膚科=医療重視」「美容外科=仕上がり重視」という明確な違いがあります。どちらにも利点がありますが、自分のほくろの状態や優先したい点によって選択肢が異なってきます。
あなたの目的に合った選び方
それでは具体的に、どんな人が皮膚科向きで、どんな人が美容外科向きなのかを見てみましょう。以下の判断基準を参考にしてください。
- ほくろに悪性の可能性があり、医師に診断・治療してもらう必要がある場合(色や形、大きさの変化がある、急に大きくなった等)
- ほくろが大きく盛り上がっていて衣服に引っかかる、出血しやすいなど日常生活に支障をきたしている場合
- 費用をできるだけ抑えたい場合(健康保険適用になれば自己負担3割で治療できます)
- 数ミリ程度までの小さいほくろで、保険診療内で処置できそうな場合
- 顔や首筋など目立つ部位のほくろを、できるだけ傷跡が残らないように除去したい場合
- 見た目の仕上がりを最優先したい場合(美容外科では最新レーザー等で傷跡を最小限にする治療が可能)
- ほくろは良性で健康上問題ないが、美容目的で除去したい場合
- 一度に複数のほくろを取りたい場合(美容クリニックでは「ほくろ取り放題」など複数除去プランを用意しているところもあり、まとめて除去するなら経済的です。例えばあるクリニックでは最大20個まで定額5.5万円といったお得なプランも提供されています)
編集部以上を目安にすると、「このほくろ、病気かも?費用も心配…」という方はまず皮膚科で診察を、「このほくろ、とにかく跡形なくキレイに取りたい!」という方は美容外科を検討すると良いでしょう。
迷う場合は後述する形成外科という選択肢もあります。
大切なのは、自分のほくろの状態と悩みに合った適切な医療機関を選ぶことです。
皮膚科でのほくろ除去の特徴
皮膚科でほくろ除去を受ける場合、医療的に安全かつ必要最小限の治療を受けられるのが特徴です。
ここでは皮膚科で治療するメリット・デメリットと、皮膚科に向いているケースを詳しく見ていきましょう。
皮膚科でのほくろ除去のメリット
皮膚科でほくろを除去する主なメリットは次の通りです。
| メリット | 詳細 |
| 健康保険が適用される可能性 | 医師が「医療的に必要」と判断すれば保険診療の範囲で治療可能 皮膚がんの疑いや衣類に擦れて傷ができる場合などが対象保険適用なら自己負担3割(病院窓口での支払いは1万円前後のケースも) |
| 悪性のほくろにも対応できる安心感 | 悪性黒色腫(メラノーマ)など悪性腫瘍の診断が可能 悪性が疑われる場合も適切な検査や切除手術・病理検査まで対応 見た目は普通のほくろでもメラノーマだった例もあるため早期発見・切除が重要 |
| 必要最低限の切除で体への負担が少ない | 「病気を治療する」目的のため過度な施術をせず最小限の範囲で除去 悪性の可能性が低い小さなほくろは切らずに経過観察 患者の希望次第で自由診療のレーザー治療を提案されることも 無理に手術をせず慎重に経過を見る判断 |
皮膚科でのほくろ除去のデメリット
一方、皮膚科で治療する際には以下のようなデメリットも考えられます。
| デメリット | 詳細 |
| 美容的な仕上がりは重視されにくい | 医療優先のため、「病気ではないが見た目が気になる」という理由だけでは美容目的の自費治療扱いとなりやすい 悪性でない限り保険が効かず簡易的な切除や焼灼が中心になりがち 傷跡の美しさまで重視した処置は行われにくい傾向がある 縫合も細かなデザイン縫合ではなく必要最低限の処置に留まるケースが多い |
| 傷跡が残る可能性 | 美容面での配慮が少ない治療のため術後の傷跡(手術痕や色素沈着)が長引くケースがある メスで切除・縫合した場合、抜糸後しばらくは赤みや線状の傷が残る 「皮膚科で取ったら傷が残り、後から美容外科で傷跡修正をお願いした」という声もある 大きなほくろ除去では患部が少しくぼんだり白っぽい痕になる例もある |
| 美容施術の設備が整っていない場合も | 町の皮膚科クリニックでは美容目的のレーザー機器を置いていない場合がある 「ほくろが気になるので取ってほしい」と受診しても「悪性ではないから様子を見ましょう」と言われることがある 保険適用外の簡単な外科的切除しか選択肢がないケースがある 希望する施術法がある場合は事前に対応可能か問い合わせが必要 |
皮膚科でのほくろ除去が向いているケース
以上の特徴を踏まえ、次のような場合は皮膚科での除去が適しています。
| 向いているケース | 詳細 |
| ほくろが悪性かどうか心配な場合 | 色や形がいびつ、大きさが変化してきた等、少しでも皮膚がんの疑いがある 皮膚科医に診てもらえば必要なら切除し病理検査を実施 結果が良性なら安心、健康のために除去が必要なら保険適用 |
| 大きく盛り上がったほくろで日常生活に支障がある場合 | 直径数ミリ以上で盛り上がったほくろは服や下着に擦れて出血することも 生活上支障のあるほくろは医師の判断で保険適用での切除対象 「目の上の大きなほくろが視界を妨げる」「ほくろがどんどん肥大してよく出血する」などのケース |
| 費用重視で治療したい場合 | 費用負担を少なくしたい人に向いている 保険適用になれば数千円~1万円程度で済む 自費でも小さいほくろ1個なら皮膚科での切除料金は比較的安価(2mm未満で約5,000円、2~4mmで1~1.6万円程度) 小さいほくろの場合、美容外科よりトータルで安く済むケースも |
| 万一失敗した場合のリスクを最小限にしたい場合 | 再発や傷跡などトラブルが起きた際、適切な医療対応を受けやすい 悪性が見落とされていた場合も対処が遅れにくい 最初から診断・除去していれば再発防止策や悪性時の追加治療も含め一貫した対応が可能 安心感を重視する人に向いている |
美容外科でのほくろ除去の特徴
美容外科(美容クリニック)でほくろ除去を行う場合は、見た目の美しさや患者の満足度を最優先した治療が受けられます。
ここでは美容外科でほくろを取るメリット・デメリット、そして美容外科が適しているケースについて説明します。
美容外科でのほくろ除去のメリット
美容外科でほくろ除去を受ける最大の利点は、何と言っても仕上がりの美しさです。具体的なメリットを挙げると以下の通りです。
| メリット | 詳細 |
| 傷跡が目立たない、美しい仕上がり | 施術前後の見た目の変化に細心の注意を払い、できるだけ傷跡を残さない治療 周囲の皮膚と馴染むようなデザインで最小限の切開 縫合時も皮膚のシワの流れに沿って丁寧に縫合 炭酸ガスレーザーや高周波メスで組織へのダメージを抑制術後は周囲の肌とほぼ見分けがつかない自然な仕上がり |
| 最新技術による精密な治療 | ピコレーザーやスキャナー付きCO2レーザーでほくろ部分のみをピンポイントに蒸散 極細針の麻酔で痛みを最小限に抑制電気メス治療では膨らんだほくろも根元から焼灼でき再発リスクが低い 最新の機器と技術で患者の負担を減らしつつ綺麗に除去 |
| 患者への配慮が手厚い | カウンセリングを十分に行い、ほくろ除去後のイメージや不安点を丁寧に説明 施術中の痛みや恐怖感へのケア(声掛けや麻酔の工夫) 術後のメイク指導や傷跡ケアの方法も指導 術後のアフターサービス保証(一定期間内のほくろ再発時は無料で再施術など) |
| 複数のほくろも一度に処理できる | 「ほくろ取り放題プラン」で一度にまとめて除去可能 「1mmあたり○○円」「○個まで定額○万円」といったコース設定 数十個取っても料金一律というクリニックも存在 短期間で見た目のコンプレックスを一気に解消 「20個近くのほくろを一度に取って人生変わった」という体験談も |
美容外科でのほくろ除去のデメリット
一方で、美容外科で治療する場合には以下のデメリットや注意点もあります。
| デメリット | 詳細 |
| 費用が高く経済的負担が大きい | 原則として保険適用外の自由診療のため費用は全額自己負担 小さなもの1個でも5,000~20,000円程度はかかる 少し大きかったり複数箇所になると数万円~十数万円に達することも 直径5mmのほくろをレーザーで除去すると3~5万円前後が多い 切開手術になるとさらに高額 |
| 健康リスクの見落としに注意 | 見た目重視の対応になりやすいため悪性かどうかの判断が皮膚科ほど厳密でない場合も 本来は切除して病理検査すべきケースでも「見た目で良性そうだから」とレーザーで焼いて終わりにしてしまうリスク 悪性黒色腫だった場合に見逃してしまう可能性 美容外科を受診する前に一度皮膚科で診断だけ受けておくのも有効 |
| ほくろが再発する可能性 | レーザー治療や電気メス治療は肌を切らないメリットがある反面、ほくろの根が深部に残ると再発するリスク 炭酸ガスレーザーは表面を蒸散させる方法のため色素の根が真皮に及ぶタイプは取りきれず再発のケースあり 「レーザーで取ったほくろが半年~1年後にまた浮き上がってきた」という報告も 再発すると再治療が必要で時間も費用も二重にかかる |
| クリニック選びが難しい | 信頼できる医師・適正価格のクリニックを選ぶのは容易ではない 経験の浅い医師が施術するケースや安価に見えて追加オプションで高額になるケースも 全国チェーンの大手クリニックは実績豊富だが医師個人の当たり外れや待ち時間が長いといった口コミも 自分に合ったクリニックを見極めるには時間と労力が必要 |
美容外科でのほくろ除去が向いているケース
以上を踏まえ、以下のような方は美容外科でのほくろ除去が特に適しています。
| ケース | 詳細 |
| とにかく仕上がりを優先したい人 | 顔や首など目立つ部分にあるほくろを取る場合、いかに綺麗に治すかが重要 傷跡が将来コンプレックスになっては本末転倒 術前のデザインから術後ケアまで見た目重視で対応 できるだけ跡を残さず取りたい人に向いている 結婚式・就職活動などを控えている方で「ほくろの跡すら残したくない」場合に最適 |
| ほくろを取って容姿に自信を持ちたい人 | 長年ほくろがコンプレックスだった方にとって人生を前向きに変える転機 「ほくろを取ったことで表情も明るくなり自信が持てるようになった」という体験談多数 メンタル面の変化にも理解があり患者の希望を最大限尊重した治療 「生まれ変わったような気持ちになりたい」「写真写りを良くしたい」という方におすすめ |
| 複数のほくろを一気に処理したい人 | 取り放題プランは多数のほくろ除去に最適 「顔全体に小さいほくろが10個以上あり全部取りたい」という場合に適している 短時間のレーザー施術を数回に分けることで一度に数十個除去も可能 パッケージ価格で結果的に割安 「ほくろ・イボ除去取り放題5万円台」というプランもあり |
| 自費でも納得のいく治療がしたい人 | お金がかかってもいいから納得いく治療を受けたい人向き 保険診療では治療法に制約があるが自由診療なら患者の要望に合わせて最適な方法を選択可能 「傷跡が心配だからメスではなくレーザーで取ってほしい」といった細かな希望も実現可能 「少し高くても再発保証があるクリニックにお願いしたい」などの要望にも対応 費用対効果を考え自分が一番満足できる結果を得たい人向き |
皮膚科と美容外科のほくろ除去の費用を比較
ほくろ除去を考える上で、費用面も重要な判断材料です。
「皮膚科で取るのと美容外科で取るのでは値段がどのくらい違うのか?」、「保険が効くといくらになるのか?」といった疑問も多いでしょう。
編集部ここでは皮膚科 vs 美容外科の費用相場と、保険適用の条件について解説します。
皮膚科のほくろ除去の費用相場
皮膚科でほくろ除去をする場合、費用は保険適用の有無で大きく変わります。
まず保険が使えた場合ですが、一般的な小手術の扱いとなり自己負担額は1万円前後になることが多いです。
具体的には、3割負担として手術代・検査代・薬代など込みで約1万~1.6万円が目安とされています。
編集部例えば5mm程度までのほくろを切除して病理検査まで行っても、その範囲で収まるケースが多いようです。保険適用なら病院による差はほとんどありません。
一方、保険が効かない場合(自由診療)はクリニックごとに設定費用が異なります。
皮膚科でも美容皮膚科的な自費診療を行っている場合、小さなほくろ1個あたり5千円~2万円程度が相場です。
サイズ別に見ると、直径1mmなら4,000~20,000円、3mmで5,000~20,000円、6mmで5,000~30,000円と幅があります。
これは施術法(レーザーか切除か)や部位によっても違いが出るためです。例えば顔の目立つ部分のほくろは高度な技術が必要になり費用が高くなる傾向があります。
編集部なお、「保険が効かないなら皮膚科でも美容外科でも同じでは?」と思うかもしれませんが、小さいほくろなら皮膚科の自費レーザーのほうが美容外科より安い場合もあります。
実際、「保険適用でない2mmのほくろを美容クリニックで取ったら1万円かかったが、皮膚科なら同程度の料金かそれ以下だった」といった声もあります。
自由診療の価格設定は各院の方針次第なので一概にどちらが安いとは言えませんが、「小さいほくろ1つだけ」なら皮膚科でもそれほど高額にはならないと考えてよいでしょう。
美容外科のほくろ除去の費用相場
次に美容外科での費用相場です。美容外科は全て自由診療のためクリニック間の価格差が大きいですが、おおよその目安を示します。
一般的にはほくろ1個あたり5,000~30,000円程度が多く、サイズや施術方法で変動します。例えば大手美容クリニックの料金例では以下の通りです。
- レーザー治療:直径1mm 5,000円前後~、3mm 1万円前後~、5mm以上は2~3万円程度
- 電気メス(電気分解法):4mm以下 7,000~10,000円前後、6mm以下 1~1.5万円前後
- 切開縫合手術:大きさによるが1個あたり1.5万~5万円以上(麻酔代等込み)
例えば共立美容外科ではCO2レーザー1mm以下5,340円、4mm以下14,630円と公表されており、さらに5個まで29,700円、10個まで37,840円という取り放題コースも設定されています。
東京のあるクリニックでは「1mmあたり2,200円」「取り放題55,000円」といった格安プランもあります。
編集部このように複数除去の場合はセット料金が適用されることも多いので、気になるほくろが多い人はプラン内容を比較すると良いでしょう。
注意したいのは、表示価格に診察料や薬代が含まれていない場合がある点です。
初診料・再診料が別途数千円、麻酔代やお薬代が数千円、と後から加算されることもあります。また、「○○円~」と書かれていてもほくろの大きさでどんどん料金が上がるケースもあります。
カウンセリング時に総額でいくらになるか見積もりをしっかり確認しましょう。
総じて、美容外科は皮膚科の自由診療と比べてもやや割高と言えます。特に大きなほくろや複数個の除去ではトータル費用が高額になりやすいです。
編集部しかしその分、前述のような仕上がりの良さや保証制度など付加価値がある点も考慮して、自分が納得できるかどうか判断すると良いでしょう。
ほくろ除去が保険適用される条件
最後に、どんな場合に健康保険が使えるのか条件を整理します。
基本的に、ほくろ除去は美容目的とみなされると保険適用外ですが、以下のような場合は医師が「医療的に必要」と判断し保険が適用されます。
| 条件 | 詳細 |
| 悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性がある場合 | 触った感じが固い 短期間で大きくなった 色がまだら・不均一 輪郭がギザギザなどメラノーマを疑う所見 医師の診察で「悪性の疑いあり」となれば保険適用で早急に切除・病理検査 |
| 炎症を繰り返すほくろや生活上支障がある場合 | 衣服や髭剃りで引っかかり出血しやすい 何度も炎症や化膿を起こしている まぶたの大きなほくろで視界が狭くなっている 靴擦れで足の裏のほくろが痛む 日常生活に支障が出ている場合も保険適用の対象 |
| 診断のために検査が必要な場合 | 悪性かどうか判断がつかないほくろは一旦切除して病理検査(細胞検査)が必要 「診断目的の切除」は保険で認められる 医師が「生検(組織検査)したほうが良い」と考えるようなほくろが対象 たとえ結果的に良性でもその検査目的の除去に保険が使える |
以上が主な保険適用の条件です。逆に言えば、見た目を良くしたいだけの良性ほくろ除去は保険が利かないということになります。
実際「ただほくろをきれいに取りたい」という理由だけでは、美容目的と判断され自由診療になってしまいます。
皮膚科で診察を受けても「これは放っておいて問題ないほくろですね」と言われれば、保険で取るのは難しいでしょう。
保険適用になるかどうかは最終的に医師の診断次第です。自分では大丈夫と思っていたほくろが専門医から見て怪しい場合もありますし、その逆もあります。
編集部「もしかしたら保険で取れるかも?」というほくろをお持ちの方は、ダメ元でもまず皮膚科(もしくは形成外科)で相談してみることをおすすめします。
医師にとって「医療的に必要」と判断されれば保険適用となり、治療費の負担が大きく減ります。
ほくろ除去は皮膚科・美容外科どっちがいい?に関する知恵袋でよくある質問
実際にほくろ除去を検討している人たちは、インターネットのQ&Aサイト(例:Yahoo!知恵袋)でも様々な悩みや疑問を投稿しています。
同じように迷っている人の声を知ることで、疑問解消のヒントになるでしょう。
編集部ここでは「皮膚科と美容外科どっちがいいか」でよくある質問と、実際にほくろ除去を受けた人の体験談を紹介します。
美容外科と皮膚科、結局どちらで取るのが良いのでしょうか?皮膚科でやっても保険適用外なら美容外科と同じですか?
このような質問は非常によく見られます。
結論としては、本記事で述べてきた通りケースバイケースです。悪性の可能性や費用面を重視するなら皮膚科、美しい仕上がり重視なら美容外科、と自分の優先事項で判断するのが答えになります。
特に「皮膚科でも美容目的なら保険効かない=自費になる」点は皆さん悩まれるところですが、これはその通りで、良性ほくろをきれいに取りたいだけの場合は皮膚科でも自由診療扱いとなります。
編集部ある知恵袋の回答者も「ほくろ除去は病気でない限り美容医療なので保険適用外。費用は1mmあたり約5千円、5mmなら3万円前後必要です。皮膚科には美容用の設備がないこともあります」と説明していました。
このように「保険が利かないならどこで取っても費用は自己負担」という前提のもとで、皮膚科と美容外科それぞれの特徴を踏まえて選ぶと良いでしょう。
顔のほくろを除去したいけど、皮膚科だと傷跡が残るって本当?美容外科の方がいいのでしょうか?
これもよくある相談です。確かに皮膚科では美容面の配慮が最小限なので傷跡が残る可能性はあります。
実際に「皮膚科で取ったらクレーター状の跡ができた」「傷がケロイドっぽくなった」といったケースもゼロではありません。一方、美容外科なら傷跡ケアまで考えた施術をしてくれるので跡は残りにくいです。
ただ、絶対に傷が残らない魔法の治療はなく、どんな方法でも術後しばらく赤みや色素沈着は生じます。大事なのは「その跡が時間とともに目立たなくなるか」です。
編集部美容外科ではアフターケア(テープ保護、塗り薬、UVケアなど)を指導してくれるので、そうしたケアをきちんと行えば傷跡はかなり薄くなります。
傷跡を最小限にしたいなら美容外科、費用節約優先なら多少跡が残っても皮膚科というのが一般的な回答になるでしょう。
ほくろ除去は痛いですか?ダウンタイムはどれくらい見ればいいですか?
痛みに関しては、いずれの施術でも局所麻酔を行うため、処置中に激しい痛みを感じることはありません。
注射のチクッとした痛みはありますが、ごく細い針を使うので一瞬です。実際受けた方の声でも「麻酔のおかげで想像以上にあっという間に取れた。拍子抜けするほど痛くなかった」という感想がありました。
ダウンタイム(治療後普通の生活に戻るまでの期間)は、方法によって異なります。
レーザー治療なら1~2週間でカサブタが取れてメイクで隠せる程度になり、電気メスなら2~3週間、切開縫合なら約4週間~は赤みや傷跡が気になるでしょう。特に切開の場合は1週間程度で抜糸、その後も1ヶ月ほどはテープ保護が必要になることが多いです。
編集部いずれにせよ完全に跡が落ち着くまで半年~1年は見ておくべきですが、日常生活に支障が出るダウンタイムは概ね数週間と考えて大丈夫です。
仕事やイベントの予定に合わせて施術時期を選ぶと良いでしょう。
実際にほくろ除去を受けた人の体験談
最後に、ほくろ除去を実際に体験した方々の声を少し紹介します。ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもありますが参考になるはずです。
「もっと早くやればよかった!」
美容外科で顔のほくろを複数除去した20代女性は、「跡も残らず、ほくろが無くなったことで写真映りも良くなり自分に自信が持てた。ほくろ除去で人生変わった!と思えるくらいポジティブな変化があった」と語っています。
20個近く取れるプランで一気に施術し、「悩んでいる人がいたらぜひやってみてほしい」と背中を押しています。
このようにコンプレックス解消による心理的メリットを実感する人は多いです。
ほくろ除去は見た目だけでなく心のケアにも繋がる面があるのかもしれません。
「手術痕が思ったより目立った…」
一方で皮膚科で保険診療の切除を受けた方の中には、「ほくろ自体は取れたけど傷跡が思ったよりくっきり残ってショック」という声もあります。
特に鼻や頬など皮膚が薄い部分では、縫合跡が白い線状に残るケースがあります。
ある男性は「皮膚科でほくろを取ったら傷が陥没してしまい、結局その傷跡治療で美容皮膚科に通う羽目になった」と投稿していました。
傷跡の残り方は個人の肌質にも左右されます(ケロイド体質やアトピー肌の人は傷が目立ちやすい傾向)。
傷跡ケアや体質も含めて主治医と相談し、必要なら美容的な治療も組み合わせるといった対応が望ましいでしょう。
「ほくろが再発してしまった」
レーザーで取ったほくろが半年後にまた濃く浮き出てきたというケースも報告されています。
特に色素の深いほくろや青いほくろ(太田母斑など)はレーザー1回では完全に取りきれず、2回目の治療が必要になることがあります。
ある患者さんは「小さいほくろだからと美容皮膚科でレーザーを当てたが、結局薄くなっただけで消えず、最終的に形成外科で切除した」という経験談を語っています。
再発すると二度手間になりますが、クリニックによっては再発保証期間内なら無料再施術をしてくれるところもあります。
心配な人は保証制度のあるクリニックを選ぶと安心です。
「痛みもダウンタイムも思ったほどではなかった」
初めてほくろ除去をした方の多くは、「想像していたよりずっと簡単で痛みも少なかった」と感じています。
麻酔注射のチクッとした感じと、レーザー時の軽い焦げる匂いこそあれ、大半の処置は数分で終了します。
術後も、「大きめのほくろを切ったときはさすがに数日はジンジンしたけど、市販の痛み止めで十分だった」「レーザー後はひりつきが1日あった程度」といった軽微な症状で済む例がほとんどです。
仕事の休みを長く取る必要も基本的になく、レーザー治療なら当日から洗顔・メイク可能、切開でも翌日から洗顔OKで日常生活に大きな支障はありません。
このように実際に受けてみると「なんだ、こんなことならもっと早くやればよかった」と思う人が多いようです。
編集部以上のように、体験談からはほくろ除去によるポジティブな変化といくつかのリスクや課題の両面が見えてきます。
成功例・失敗例の両方を知った上で、自分の場合はどうすべきか検討することが大切です。疑問や不安があればカウンセリングで医師にぶつけ、納得してから治療を受けるようにしましょう。
【第三の選択肢】形成外科でのほくろ除去の特徴
ここまで皮膚科と美容外科について述べてきましたが、実は第三の選択肢として「形成外科」でほくろを取る方法もあります。
形成外科はケガや腫瘍の外科治療を専門とし、保険診療の範囲で機能面と美容面の両立を目指す分野です。
編集部そのため「医療の正確さも仕上がりの美しさも両方大事」という方には最適な選択肢となり得ます。
ここでは形成外科でほくろを取るメリット・デメリット、おすすめの人について解説します。
形成外科でのほくろ除去のメリット
形成外科でほくろ除去を行う場合、皮膚科と美容外科それぞれの”いいとこ取り”ができると言われます。主なメリットを挙げると以下の通りです。
| メリット | 詳細 |
| 保険診療内でも美しい仕上がりに配慮 | たとえ保険適用の手術であってもできるだけ傷跡を目立たせない工夫 悪性が疑われるほくろを切除する場合でも丁寧な縫合や術式の工夫 保険診療の範囲内で美容外科レベルの仕上がりを追求 「形成外科で手術したら保険なのに傷跡が全然目立たなかった」という声も |
| 顔など目立つ部位のほくろ除去に強い | 切開や縫合のスペシャリスト 皮膚の張力やシワの方向(「皮膚の伸展ライン」)を考慮して手術 顔や首など人目に触れる部分でも非常に自然で違和感のない仕上がり 目元のほくろは眉や瞼のラインに沿って切開し巧みに縫合 術後にほとんど傷が分からなくなるような高度な技術 |
| 悪性や再発の可能性にも万全の対応 | 基本的に病変部位の完全切除を重視・ほくろに見えても中に悪性所見がないか、取り残しがないかまで考慮 安全確実な治療で再発リスクが極めて低い 腫瘍に関する診断・治療にも通じているため安心感 術後の病理検査で悪性が判明した場合も追加切除や治療を継続可能 |
| 皮膚科と美容外科の良い部分を兼ね備えている | 医療としての正確さ(皮膚科的側面)と美容的な見た目への配慮(美容外科的側面)の両立 皮膚科か美容外科か決めきれない人にとって最もバランスの取れた選択 形成外科専門医は日常的にほくろや粉瘤など皮膚腫瘍の手術症例を数多く経験 多彩な部位・状態に対応できる |
形成外科でのほくろ除去のデメリット
良いとこ取りの形成外科にも留意点はあります。考えられるデメリットは以下のようなものです。
| デメリット | 詳細 |
| 純粋な美容目的だと保険適用外になる | 医師の判断で「このほくろは医学的には取る必要がない」とされれば保険は効かない 美容外科と同じく自費治療・保険診療に比べれば高額 自費でレーザーをするなら美容クリニックと変わらない 「良性の小さなほくろ一つだけ、美容目的で」の場合は美容外科を選ぶ人も多い |
| 専門医が少なく予約が取りにくい場合も | 大学病院や大きな総合病院に併設されていることが多い 街中のクリニックは皮膚科や美容外科ほど数が多くない 通いやすい場所に形成外科がないケースも 人気の形成外科は手術予約が先まで埋まっているケースも 紹介状が必要だったり初診から手術日まで時間がかかることも スピード感では劣る |
| レーザー治療を扱わない場合がある | 基本メスを用いた外科治療がメイン クリニックによっては美容レーザーの設備がない 大病院の形成外科では、ほくろ=手術で取るものという前提 浅いほくろでも切除しか選択肢にない場合も 「レーザー希望」と思って行ったら「当院にはレーザーがありません」と言われた例も |
| 自費診療時の費用が不透明になりがち | 美容目的の自費除去をするとき料金体系がわかりづらいことも 保険診療中心の病院では自由診療価格が明示されていない場合も 見積もりを出してもらうまで詳細が分からない 美容外科はWEB上に料金を明示しているところが多く費用計算しやすい 「保険適用かどうか」をまず確認し適用外の場合の費用説明をしっかり受ける必要 |
形成外科でのほくろ除去がおすすめな人
では具体的に、どういう人が形成外科でのほくろ除去に向いているでしょうか。
| おすすめな人 | 詳細 |
| 仕上がりの自然さと医療的信頼性の両方を重視したい人 | 「悪性の見落としは困るが、顔の傷跡も極力残したくない」という両方の希望を持つ方に最適 診断の正確さと自然な仕上がりの二兎を追うことが可能 顔のほくろでも皮膚の緊張方向に配慮した縫合で違和感ない結果・医療的評価もきちんと実施 |
| 保険適用になるかどうかしっかり確認したい人 | 「できれば保険を使いたい…」という人におすすめ 美容クリニックでは基本保険は効かないが形成外科なら悪性の可能性がわずかでもあれば保険適用を検討 医師の的確な診断によって適切に保険の可否を判断 保険で取れるものは保険で、難しければ自費でと柔軟に対応 |
| 症例豊富な専門医に任せたい人 | 「経験のある先生にお願いしたい」「実績豊富なクリニックがいい」という方にピッタリ 形成外科専門医は難しい部位の手術や大きな皮膚腫瘍の切除なども日常的に実施 ほくろ程度は造作もない 症例数が多い施設ではスタッフの手技も洗練され幅広いケースに対応可能 安心感を最優先する方向き |
| 医療機関でしっかり相談して決めたい人 | 形成外科クリニックの多くはカウンセリングに時間をかける ほくろ除去するか迷っている段階でも相談だけでも快く受け付け 「まだ取るか決めてないけど専門家の意見を聞きたい」という場合にも適している カウンセリングのみの予約も歓迎 無理に手術を勧められることもない 納得いくまで相談した上で治療方針を決めたい人に最適 |
ほくろ除去は皮膚科・美容外科どっちがいい?まとめ
ほくろ除去を成功させるには、自分の目的に合った診療科を選ぶことが重要です。
悪性の疑いがあったり費用を抑えたい場合は皮膚科、傷跡の目立たない美しい仕上がりを最優先したい場合は美容外科がおすすめです。
どちらにも決めきれない方には、医療の正確さと美容面の両立を目指す形成外科という第三の選択肢もあります。
保険適用の条件や費用相場も確認し、信頼できる医師にしっかり相談してから治療を受けましょう。

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