結論、ダイエット中のチートデイの適切な頻度は「週1回程度」が一般的な目安です。
ただし、これはあくまで基本の指標であり、実際にはあなたの体脂肪率やBMI、性別、ダイエットの進行状況によって最適な頻度は大きく変わってきます。
本記事では、チートデイの基礎知識から、男女別・体脂肪率別、BMI別の具体的な頻度目安、失敗しないためのコツまで詳しく解説します。
なお、停滞期打破の方法としては、チートデイのような食事によるアプローチ以外にも、医療ダイエットという選択肢もあります。
特にスルリム注射のような医療痩身施術は、食事制限だけでは難しい部分痩せや代謝促進をサポートする手段として注目されています。
本記事では、まず自分でコントロールできるチートデイの活用法に焦点を当て、あなたに最適な頻度を見つけて、計画的かつ効果的にダイエットを進める方法をお伝えします。
チートデイとは?
チートデイは、減量ダイエット中に意図的に摂取カロリーを増やす日のことを指します。
停滞期を打破し、代謝をリセットする身体面の効果と、ストレスを発散する精神面の効果、この2つの目的を持つ戦略的な休息日です。
編集部ただし、正しい頻度とやり方で取り入れてこそ効果が得られることを理解しておきましょう。
チートデイはダイエット中の意図的な摂取カロリー増加日
チートデイ(cheat day)とは、減量ダイエット中に意図的に摂取カロリーを増やす日のことです。
「cheat(ズルをする)」という言葉が示すように、普段の食事制限を一日だけ”裏切って”好きなものを食べる日を指します。
チートデイの目的は「停滞期の打破」と「精神的リフレッシュ」の2つです。
ダイエットを続けていると、身体が省エネモード(ホメオスタシス機能)に入り、体重減少が止まる停滞期が訪れます。
チートデイにあえてカロリーを増やすことで、「まだ飢餓状態ではない」と身体に信号を送り、低下した基礎代謝をリセットできます。
また、厳しい食事制限が続くと溜まるストレスを発散し、「もうすぐ好きな物が食べられる」という心の支えとなり、長期的なダイエットの継続を可能にします。
チートデイが注目される理由は停滞期で悩む人が増えたため
チートデイは、停滞期で悩む人が増えたことで注目を集めるようになりました。
糖質制限や運動を頑張っているのになかなか体重が減らない停滞期の打開策として、「チートデイを導入すると良い」という情報が広まったのです。
フィットネス業界では以前から知られており、ボディビルダーやフィジーク選手も減量末期の代謝低下対策として戦略的に取り入れています。
編集部さらに、SNSやメディアで著名人がチートデイを公開したことも大きな影響を与えました。
ただし重要なのは、チートデイは誰にでも必要な万能策ではないという点です。
チートデイとリフィードとの違い
チートデイと似た概念に「リフィード(refeed)」があります。
チートデイは食べる内容に制限を設けず好きなものを自由に食べる日で、精神的リフレッシュの意味合いが強いのが特徴です。
一方、リフィードは主に炭水化物(糖質)を計画的に多めに摂取する手法で、高タンパク・低脂肪を維持しつつ糖質のみ増やすなど、栄養管理が戦略的に行われます。
編集部目的はレプチンというホルモンの分泌を促し、代謝低下を防ぐことにあります。
要するに、「好きなものを好きなだけ食べてOK」なのがチートデイ、「糖質中心に必要量だけ計画的に食べる」のがリフィードです。
減量の停滞期打破という目的は共通していますが、チートデイはメンタル面のケアの色合いが濃く、リフィードは身体への生理学的アプローチが主体と言えます。
自身のダイエットレベルや目的に応じて、どちらの方法が適しているか選ぶことが重要です。
チートデイの適切な頻度は週何回?
チートデイの頻度設定は、ダイエット成功の鍵を握る重要なポイントです。
一般的には「週1回程度」が目安とされていますが、これはあくまで基本であり、体脂肪率や停滞期の状況、個人の体質によって最適な頻度は変わります。
編集部ここでは、頻度を決める基準と、多すぎる場合のリスクについて詳しく解説します。
チートデイの一般的な頻度の目安は週1回程度
一般的によく推奨される目安は「週1回程度」で、多くのダイエット指導者も「多くても週1回まで」と推奨しています。
それ以上の頻度で取り入れると、せっかくの食事制限の効果が打ち消されてしまう可能性が高いからです。
人それぞれ体格も代謝状態も減量ペースも違うため、適切な頻度にも個人差があります。
基本的な考え方として、痩せている人ほど頻度を上げても問題なく、太っている人ほど頻度は低め(あるいは実施しない)という原則があります。
まずは週1回を上限の目安としつつ、自分の体の反応や減量ペースを見ながら柔軟に調整していく姿勢が大切です。
チートデイの頻度を決める3つの重要な基準
チートデイの頻度を決める際に考慮すべき重要な基準は3つあります。
1つ目は「現在の体脂肪率(体の絞り具合)」です。
一般的な目安として、男性なら体脂肪率25%以下、女性なら30%以下になってからチートデイを検討します。
それ以上に脂肪が多い段階では、身体が飢餓状態と認識していないため、チートデイをしても代謝は上がりません。
2つ目は「減量の停滞期に入っているかどうか」です。
まだ順調に体重が減り続けている段階でチートデイを入れても、身体は飢餓状態と感じていないため効果がありません。
3つ目は「前回のチートデイからの間隔(頻度の適切さ)」です。
一度行ったら次回まで十分な間隔を空け、減量が進むにつれて徐々に頻度を下げる(間隔を延ばす)方法も推奨されています。
チートデイの頻度が多すぎるとダイエットが失敗する理由
チートデイの頻度が多すぎると、いくつかの理由でダイエットが失敗しやすくなります。
まず、頻繁に高カロリー日を設ければ、その分蓄積されるエネルギーも増え、他の日のカロリー制限の赤字をすぐに帳消しにしてしまいます。
週に2回も3回もチートデイを設ければ、トータルで見れば食べ過ぎの状態になり、体脂肪が減るどころか増えてしまうでしょう。
次に、身体のリズムが崩れることです。
週6日低カロリー→1日高カロリーというパターンなら対応できますが、頻度が多すぎると常に余剰エネルギーを溜め込むモードになってしまいます。
さらに心理面でも、頻度が多すぎると緊張感が途切れ、「まあまたすぐチートデイ来るし」と気が緩むことで日々の食事管理も甘くなりかねません。
編集部チートデイはあくまで少ない頻度で計画的に取り入れることが大前提です。
【男性向け】体脂肪率別のチートデイ頻度は?
男性の場合、チートデイの適切な頻度は現在の体脂肪率によって大きく変わります。
男性は女性より基礎代謝が高く筋肉量も多い傾向がありますが、体脂肪率が高いうちはチートデイは不要です。
編集部ここでは、体脂肪率のレンジごとに適切とされる頻度の目安を詳しく解説します。
体脂肪率25%以上の男性:チートデイは不要
男性で体脂肪率25%以上ある場合、基本的にチートデイはまだ必要ありません。
体脂肪25%は明らかに肥満体型と言えるレベルで、身体がエネルギー不足だと感じにくいため代謝低下のリスクも低く、普通にカロリー制限と運動を続ければ順調に脂肪が落ちていきます。
飢餓状態になっていない体にチートデイでカロリーを入れても、単に余分なエネルギーを蓄えるだけになってしまいます。
編集部まずはチートデイよりも規則正しい食事管理と運動習慣の確立が優先です。
ダイエットの基本パターンがまだ身に付いていないうちにチートデイを導入すると、ただの暴飲暴食に終わってしまい挫折に繋がるケースも多いため注意が必要です。
体脂肪率20〜24%の男性:2週間に1回程度
男性の体脂肪率が20〜24%前後になってきたら、チートデイを様子を見ながら取り入れ始めてもよい段階です。
このレンジは軽度肥満から普通体型に近づくあたりで、見た目にもだいぶスッキリしてきますが、停滞期が起こりやすいゾーンでもあります。
普段しっかり減量を継続しつつ、2週間ごとに1日のリフレッシュ&ブースト日を入れるイメージです。
この頻度なら、仮に一回のチートデイで多少食べ過ぎても他の日で十分に帳消しにできる可能性が高く、かつ停滞を感じ始めた頃にうまく代謝を刺激できます。
編集部一度チートデイを行ったら次回まで最低でも10日〜14日ほどは空けるようにしてください。
体脂肪率15〜19%の男性:10日に1回程度
男性で体脂肪率が15〜19%になってくると、かなり標準的からやや筋肉質寄りの体型です。
このゾーンでは停滞期に陥る可能性も高く、代謝も落ちやすくなるため、チートデイの頻度をもう少し高めて「10日に1回程度」にするのが目安です。
2週間(14日)に1回では間隔が長すぎる場合、約10日に1回、つまり1週間+3日おきくらいのペースに上げてみる価値があります。
編集部このペースは、体脂肪が15%台くらいまで落ちてきて停滞が顕著な場合に有効です。
順調に減っている場合は無理に増やさず2週間に1回ペースを維持してもOKで、頻度を増やす際はあくまで「停滞打破」が目的であることを忘れないようにしましょう。
体脂肪率15%未満の男性:週1回程度
男性で体脂肪率が15%未満ともなると、腹筋もうっすら割れて見えるようなかなり締まった体型です。
このレベルでは代謝も大幅に落ちやすく、脂肪をさらに減らすのが難しくなってくるため、チートデイの頻度を週1回程度にまで高めても大丈夫だとされています。
週に1度、例えば毎週日曜日をチートデイにするといった形で、定期的に高エネルギー摂取の日を入れて代謝の維持を図ります。
週1回の頻度で「十分な栄養が入ってきたよ」と身体に知らせてあげることで、基礎代謝の低下を食い止め、効率良く脂肪を燃焼し続ける助けになります。
なお、体脂肪率が一桁(10%未満)のような非常に絞れた状態では、さらに頻度を高めて4日に1回程度チートデイを行うケースもあります。
【女性向け】体脂肪率と生理周期を考慮した頻度は?
女性の場合、男性に比べて体脂肪率が高めでも健康的である場合が多く、また生理周期によるホルモン変動の影響も考慮する必要があります。
ここでは、女性の体脂肪率ごとの頻度目安と、生理周期を踏まえたチートデイのタイミングについて解説します。
編集部適切な頻度設定で、女性特有の身体リズムに合わせたダイエットを実現しましょう。
体脂肪率35%以上の女性:チートデイは不要
女性で体脂肪率35%以上ある場合、まずはチートデイは必要ありません。
35%を超えるとかなり肥満度が高く、健康面でもリスクが指摘されるレベルです。
この段階では、まだまだ体に十分な脂肪エネルギーの蓄えがあり、食事制限をしていても体は飢餓状態と感じにくいため、摂取カロリーを減らすだけで順調に体重・体脂肪が落ちていく時期です。
編集部この段階でチートデイをしてしまうと、単なるカロリーオーバーで太る原因になりかねません。
チートデイよりまず生活習慣の改善と食事コントロールに集中し、日々の適度なカロリー制限と栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
高体脂肪のうちは体重が落ちやすいため、むしろモチベーションも維持しやすいものです。
体脂肪率30〜34%の女性:2週間に1回程度
女性の体脂肪率が30〜34%程度になってきたら、チートデイを検討し始める段階です。
30%前後はまだぽっちゃり体型ではありますが、減量を続けているとこの辺りで一旦停滞期が訪れることがあります。
編集部目安は「2週間に1回」、隔週ペースでチートデイを取り入れてみると良いでしょう。
たとえば「第1・3日曜日がチートデイ」という形で、2週間おきに好きなものを食べる日を設定します。
30%台前半の女性は体にもまだ余裕があり、代謝低下もそこまで深刻ではない可能性があるため、最低でも2週間以上順調に減らず停滞していると感じたら実施、くらいが目安です。
体脂肪率25〜29%の女性:10日に1回程度
女性で体脂肪率が25〜29%、つまりだいぶ普通体型に近づいてきた段階では、チートデイの頻度をもう少し上げて「10日に1回」程度にすることを検討します。
特に25〜27%付近は、見た目には標準体型に見えつつも美容体重やモデル体型を目指す人にとってはここからが勝負どころで、停滞期に入るケースも増えてきます。
10日に1回という頻度は、「チートデイ→(9日間)→チートデイ」というサイクルになります。
女性の25%前後は男性の15%前後に相当するとも言われ、代謝が落ちやすい状態です。
本当に停滞しているかを見極めた上で導入し、チートデイなしでも緩やかにでも減少が続いているなら無理に増やす必要はありません。
編集部頻度が上がったぶん1回の暴飲暴食度合いは軽めにする気持ちで取り組んでください。
体脂肪率25%未満の女性:週1回程度
女性で体脂肪率25%未満となれば、かなりスリムで引き締まった体つきです。
一般にこのレベルまで絞れている女性は、チートデイの頻度を週1回程度にしても問題ないと言われます。
週1回、例えば毎週土曜日をチートデイに固定してしまうのも良い方法です。
休日を選べば時間に余裕を持って食事を楽しめますし、曜日固定によりリズムも作りやすくなります。
体脂肪率が20%台前半〜10%台というのは、女性にとってはかなり体脂肪が少ない状態です。
この段階では停滞期も頻繁に訪れ、放っておくとすぐに代謝が落ちてしまう恐れがあるため、週1回しっかり栄養を入れることで基礎代謝の低下を防ぎます。
編集部もちろん週1回だからといって油断は禁物で、後述する食べ方のルールを守る必要があります。
生理周期に合わせたチートデイの設定方法
女性の場合、生理周期も考慮するとより効果的にチートデイを設定できます。
一般的に推奨されるのは、「生理が終わった直後」にチートデイを行う方法です。
生理前〜生理中は女性ホルモンの影響で体内に水分を溜め込みやすくむくみやすい時期で、この時期に体重が減りにくいのは当たり前で必ずしも停滞期ではありません。
生理が終わった直後〜排卵日までは、エストロゲンというホルモンが増えて代謝が上がりやすく、かつ食欲が落ち着きやすい最も痩せやすい時期です。
編集部そのスタートにチートデイを持ってくることで、代謝が高まった状態で一気に減量再加速を狙えます。
ただし個人差も大きいので自分の生理周期の特徴を把握し、基本は生理後の痩せ期に合わせつつ、自分の食欲ピークやメンタルに合わせて微調整することが大切です。
【BMI別で見る】チートデイの最適頻度は?
体脂肪率で見る方法に加え、BMI(体格指数)を基準にチートデイ頻度を考える方法もあります。
編集部BMIは身長と体重から算出される指標で、肥満度の目安になります。
体脂肪率を正確に測るのが難しい場合は、補完的にBMIも参考にすると良いでしょう。
ここではBMI区分ごとに、チートデイ頻度の目安と注意点を紹介します。
BMI30以上(肥満):月1回程度または不要
BMIが30以上(肥満度II以上)の場合、基本的にはチートデイは行わないか、行っても月に1回程度に留めます。
編集部BMI30以上は明らかな肥満であり、健康的にも減量の必要性が高いゾーンです。
前述の体脂肪率で言えば男性25%以上・女性35%以上に相当するケースが多く、まずは通常の食事制限で減量を進めるのが優先です。
基本的な食事管理の確立が最優先であり、それができていないうちにチートデイを入れてしまうとダイエットのリズムが作れません。
仮に導入するにしても「月に1回だけ様子を見る」程度にとどめ、効果が感じられなければ無理に続けない方が良いでしょう。
BMI25〜29(過体重):停滞期のみ10日に1回
BMIが25〜29の方(いわゆる過体重、肥満度Iの範囲)は、チートデイは基本的になしで進め、停滞期に入ったら10日に1回程度で様子を見るのがおすすめです。
BMI25以上はまだ肥満カテゴリーですが、30未満なら軽〜中程度ですので、この領域でダイエット停滞期に入る場合もあります。
停滞期と判断できる場合には、約10〜14日に1回のチートデイを取り入れてみる価値があります。
編集部これは前述した男性体脂肪20%前後・女性30%前後のケースとほぼ一致します。
ただし、BMI25〜29の段階はまだまだ減量の余地があり、正直チートデイなしでも減らせる可能性が高い時期です。
停滞期という明確なサイン(2週間以上体重・体脂肪に変化がないなど)がなければ、無理に実施する必要はありません。
BMI18.5〜24(標準):週1回程度
BMIが18.5〜24の標準体重範囲に入っている場合、すでに肥満ではなく健康的な体重です。
標準体重からさらに減らすのは身体にとっても厳しくなってくるため、代謝を落とさない工夫が必要だからです。
BMIでいう18.5〜20前後は、前述の女性体脂肪25%未満や男性15%未満あたりに相当します。
ただし、BMIがこの範囲ということはすでに適正体重であり、無理な減量は健康を害する恐れもあります。
週1回チートデイを入れなければならないほど追い込んだダイエットをする必要があるのか、一度立ち止まって考えることも大切です。
BMI18.5未満(低体重):チートデイより栄養摂取の見直しを
BMIが18.5未満、つまり低体重(痩せすぎ)の範囲に入る方は、基本的にダイエットの必要はなくチートデイも不要です。
編集部むしろ、日常の栄養摂取を見直して不足を補うことが先決です。
BMI18.5未満でさらに減量を考えている場合、それはかなりリスクのある行為です。
美容体重を通り越してモデル体重以下になってしまうと、女性なら生理不順や貧血、脱毛など健康被害が出る可能性があります。
このカテゴリーの人は、ダイエットではなく適正体重まで増量するか現状維持に努めるべきです。
必要なのはチートデイのような一時的過食日ではなく、毎日の食事でしっかり栄養バランスを摂ることです。
万一、「低体重だけどさらに減量したいからチートデイを…」と考えている場合は、一度専門家(医師や栄養士)の意見を仰ぐことを強くおすすめします。
筋トレ・糖質制限中のチートデイ頻度は?
特別なダイエット状況下では、チートデイの取り入れ方にも特有の注意点があります。
筋トレをしながら減量している場合や、糖質制限ダイエット(ケトジェニック含む)を実践している場合は、通常のダイエット以上に代謝への配慮が必要です。
編集部ここでは、それぞれのケースでチートデイの効果と頻度設定のコツを見ていきます。
筋トレ中にチートデイが効果的な理由
筋トレをしながら減量する、いわゆるボディメイク減量において、チートデイはとても有効な手段になり得ます。
チートデイに普段の1.5〜2倍のカロリーを摂取すると、体が「もう飢餓じゃない」と認識して省エネモードを解除し、基礎代謝が回復します。
これは筋肉量を守る上でも重要で、筋トレの成果を最大限に活かすには代謝が高い状態を保つ必要があります。
編集部また、筋トレには筋肉内のグリコーゲン(糖質エネルギー)が不可欠です。
チートデイで高炭水化物の食事を摂ると、筋肉に貯蔵されたグリコーゲンが回復し、トレーニングで力を発揮しやすくなります。
さらに、減量中の食事はタンパク質中心になりがちで特定の栄養素が不足しますが、チートデイではビタミンやミネラル、食物繊維などもまとめて補給できます。
頻度としては、筋トレの強度や減量の厳しさによりますが、前述の体脂肪率や停滞期の状況に準じて設定します。
糖質制限ダイエット中の頻度設定
糖質制限ダイエット(ローカーボやケトジェニックダイエット)を行っている場合、体重の減りが早い反面、代謝低下やストレスも生じやすいため、チートデイの恩恵を受けやすいダイエットと言えます。
頻度の基本は体脂肪率や停滞期の有無で判断しますが、糖質制限はカロリー制限以上に停滞期が起こりやすく、「開始から1ヶ月前後」など比較的早期に訪れることもあります。
多くの場合、糖質制限を始めて約1ヶ月後や体重5kg以上減少した頃に停滞期が来るので、そのタイミングで週1回のチートデイを導入するのがおすすめです。
編集部糖質制限中のチートデイはできれば糖質中心に摂ることが推奨されます。
普段カットしている炭水化物を補給することでレプチン分泌を促し代謝アップを狙うため、脂質はなるべく抑えめにした方が効果的です。
なお、チートデイ以外にも脂肪燃焼をサポートする医療的アプローチとして、ジュノビューティークリニックのスルリム注射のような施術も選択肢の一つです。
医療ダイエットに興味がある方は医療ダイエットがおすすめの記事も参考になります。
糖質制限中は停滞期を感じたらすぐ検討しますが、頻度は週1を上限として、「停滞打破のためにやむを得ず行う」というスタンスで取り入れてください。
ケトジェニックダイエット中の注意点
糖質を極限まで制限するケトジェニックダイエットの場合、チートデイには特別な注意が必要です。
ケトジェニックでは体が糖ではなく脂肪をエネルギー源にする代謝回路に入っているため、大量の糖質を摂取すると一時的にケトーシス(脂肪燃焼モード)から外れてしまいます。
ケト中のチートデイ最大の注意点は、「糖質のみでカロリーを摂る」くらいの覚悟で行うことです。
脂質は普段十分摂っているはずなので、チートデイでは脂質はあまり増やさず、むしろ糖質をしっかり摂ってレプチンを分泌させることに集中します。
ケトジェニック中にチートデイをするとほぼ確実に体重が増えますが、これは糖質が筋肉内に水分とともに蓄えられるためで、数日で2〜3kg体重が増えることもあります。
せっかく作り上げたケトーシス状態は、一度大量の糖を入れると再び脂肪燃焼モードに戻るまでに数日かかるため、可能な限り回数は少なくし、間隔も十分空ける(数週間〜1ヶ月に1回程度)のが無難です。
チートデイを取り入れるべきタイミングは?
チートデイは適切なタイミングで行ってこそ効果があります。
停滞期のサインを正しく読み取り、ダイエット開始からの経過時間を考慮し、逆にチートデイが不要なケースも理解しておく必要があります。
編集部タイミングを誤ると効果がなく太るだけになるので、ここでしっかり把握しておきましょう。
停滞期に入ったサイン3つ
チートデイを検討すべき最大のタイミングは停滞期に入ったときです。
停滞期に突入したことを示す3つのサインがあります。
1つ目は「1ヶ月の間に体重の5%が減った」ことです。
急激に体重が落ちると身体は危機感を覚え省エネモードに入るため、1ヶ月で元の体重の約5%が減少すると停滞期に入りやすいと言われます。
2つ目は「ダイエット開始からおよそ1ヶ月経過している」ことです。
多くの場合、ダイエット開始から約1ヶ月前後で一度減量ペースが鈍化します。
3つ目は「正しく努力しているのに2週間以上体重が減っていない」ことです。
食事制限や運動をきちんと続けているにもかかわらず、最低でも1〜2週間、あるいは半月〜1ヶ月近く体重に変化がない場合、明らかな停滞期と判断できます。
さらに補足すると、体脂肪率がしばらく変わっていないとか、最近基礎体温が以前より0.2〜0.3℃低下したといった兆候も、代謝低下のサインとして注目できます。
編集部こうして停滞期に入ったと判断したら、チートデイを実行する絶好のタイミングです。
ダイエット開始からどれくらいで取り入れるべきか
「ダイエットを始めてからどのくらい経ったらチートデイを取り入れると良いか」については、多くの場合は開始から3〜4週間後(約1ヶ月後)が目安となります。
最初の1ヶ月ほどは体重がストンと落ちることが多いので、その間は特にチートデイは必要ありません。
編集部むしろ順調に減っているなら、減っている間はそのまま続けるのが鉄則です。
開始から1ヶ月経って、体重が当初より5%程度落ちて最近減りが明らかに鈍くなったり、ここ2週間以上体重も体脂肪率もほとんど変化していない場合に初めて検討しましょう。
このような状況がちょうど開始1ヶ月前後で訪れることが多く、特に「ダイエット開始から約1ヶ月」または「5kg以上減ったころ」というのは多くの人にとって停滞期の訪れるタイミングです。
もちろん人によっては2週間で停滞することもあれば、2ヶ月順調で停滞が遅れて来ることもありますが、早すぎるチートデイ導入は厳禁です。
最低でも最初の2〜3週間は様子を見るべきで、「開始から1ヶ月前後、減りが止まったら」がキーポイントです。
チートデイが不要なケース
一方で、「そもそもチートデイなんてしない方がいい場合」もあります。
まず、ダイエットを始めたばかりで、まだ体重が落ち始めてもいない最初の段階では必要ありません。
「運動だけして食事制限してない人」や「体重がまだ全く落ちていない人」がチートデイをしても、ただの食べ過ぎで太るだけです。
次に、男性25%以上・女性35%以上、またはBMI25以上の肥満域の人も基本はチートデイ不要です。
ダイエットの基本的な食習慣が身に付いていないうちにチートデイを入れると、「今日は何を食べてもOK」と気が緩みすぎて暴食の言い訳になる危険があります。
一度食べ始めると歯止めが利かない、チートデイを設けるとその翌日もズルズル食べてしまうといったタイプの人も向きません。
また、すでに十分痩せている人や美容的にも問題ない人がチートデイをする必要はなく、むしろその人にとっては単なる過食です。
以上のようなケースでは、チートデイはむしろ百害あって一利なしで、自分が取り入れるべきかどうか冷静に判断することが成功への第一歩です。
チートデイで失敗しないための注意点は?
チートデイはやり方を間違えると「太るだけ」「体調を崩すだけ」になってしまいます。
編集部せっかく取り入れるなら、賢く実践してダイエット成功に繋げたいものです。
ここでは、チートデイを成功させるために押さえておきたい注意点を詳しく解説します。
食べ過ぎは逆効果!適切なカロリー量の目安
チートデイとはいえ、好き放題に食べ過ぎて良いわけではありません。
過度な暴飲暴食は消化器に負担をかけ、翌日以降の不調の原因になりますし、摂取カロリーがあまりに多いとそれだけ脂肪蓄積も増えてしまいます。
チートデイでもある程度のカロリー目安を決めておくことをおすすめします。
一般的によく言われる目安の一つが「基礎代謝量の約3倍」で、たとえば基礎代謝が1400kcalの人なら約3倍の4200kcal程度を上限と考えます。
このように上限ラインを設定しておけば、「今日は何をどれだけ食べてもいい!」と無計画に暴走するのを防げます。
実際に食べる時も、いきなり高カロリー揚げ物を大量に食べるのではなく、一日の中で時間を決めてメリハリをつけて摂取するのが望ましいです。
目安カロリー内で美味しく適量を楽しむくらいが、翌日罪悪感も残らず最も効果的と心得ましょう。
栄養バランスを意識した食事内容
チートデイというと「ピザ・ハンバーガー・スイーツを爆食い!」みたいなイメージがありますが、内容のバランスにも気を配ると効果が高まります。
編集部特におすすめなのは炭水化物(糖質)中心にエネルギーを増やすことです。
糖質はレプチンの分泌を促し代謝アップに直結するので、ご飯・パン・麺類などはこの日にしっかり摂ってOKです。
逆に脂質の摂りすぎには注意が必要で、脂肪分の多いものばかり食べると消化に時間がかかり、翌日に胃もたれしたり体調不良になるケースもあります。
また、糖質+脂質を過剰に摂取すると脂肪合成が進みやすいので太りやすくなってしまいます。
揚げ物やバターたっぷりの菓子などはほどほどに、どちらかといえば和菓子や果物、ご飯物など低脂肪高炭水化物のものを多めに選ぶと良いでしょう。
さらにタンパク質やビタミン、ミネラルもバランスよく摂るのが理想で、せっかく自由に食べられる日なのですから、普段不足しがちな栄養素を意識して摂取するチャンスでもあります。
要はジャンクフードだけで満腹にするのではなく、栄養バランスも考えたメニューにすることがポイントです。
チートデイを曜日で固定するメリット
編集部チートデイは曜日を固定するのがおすすめです。
あらかじめ「毎週土曜はチートデイ」と決めておけば、その日に向けて他の日のメニューを調整したり、心の準備ができます。
スケジュールに組み込むことで「うっかり連続でやってしまった」「タイミングがバラバラで効果が分からない」という事態を防げます。
固定曜日があると、「あと○日でチートデイだ」とモチベーション維持に繋がります。
定期的にチートデイが来ると分かっていれば我慢もしやすく、例えば毎週日曜と決めておけば、平日に誘惑があっても「日曜に食べよう」と思って堪えられる効果もあります。
曜日固定することでリズムができると人間の体もそれに馴染んできて、逆にそれ以外の日は胃が小さくなり大食いしにくくなるとも言えます。
また慣れるまでは「毎週この曜日だけOK」と縛った方が、食べ過ぎの抑止になるという指摘もあり、曜日固定は余計なチートデイを増やさない工夫にもなります。
アルコール摂取は控えめに
チートデイの日、「せっかくだからお酒も解禁!」と考える方もいるでしょう。
しかしアルコールの摂取には注意が必要で、できればチートデイでもアルコールは控えめ、可能なら摂らない方が無難です。
まず、アルコール自体が高カロリー(1gあたり7kcal)であり、しかも栄養的価値がほとんどないため、単なる余分なエネルギーになりがちです。
アルコールは摂取されると体はまずそれを優先的に燃やすため、飲酒中は脂肪燃焼が一時停止し、脂肪がつきやすい状態になります。
さらに、アルコールは食欲のブレーキを外してしまう作用があり、酔っ払うと気が大きくなって「まだ食べられる!」「締めにラーメン行こう!」となりがちです。
編集部チートデイでも飲み過ぎると、計画以上に暴食してしまうリスクが跳ね上がります。
またアルコールは翌日にむくみを引き起こす原因にもなりますし、肝臓に負担をかけるため、代謝の回復というチートデイ本来の目的から見てもマイナスです。
飲むとしても食事とは別枠でカロリー計上し、つまみで高カロリーなものを食べ過ぎないように注意してください。
チートデイ翌日の過ごし方と体重管理
チートデイを終えた翌日以降の行動も、ダイエット成功には重要です。
編集部せっかくチートデイで代謝をリセットしても、その後の過ごし方を誤ると効果が半減してしまいます。
ここではチートデイ翌日に起こる体重変化の捉え方、翌日の食事の戻し方、そして水分補給や軽い運動のすすめについて説明します。
体重増加は水分!2〜3日で戻るのが正常
チートデイの翌日、体重計に乗ってギョッとする人も多いでしょう。
編集部1〜2kg程度平気で増えていることがあるからです。
しかし、ここで落胆する必要は全くありません。
その体重増加の大半は水分によるもので、チートデイで一時的に食べた糖質や塩分が体内に水分を溜め込んでいるだけで、脂肪が急についたわけではありません。
糖質は筋肉内にグリコーゲンとして蓄えられる際に大量の水分を伴い、一般にグリコーゲン1gあたり約3gの水が結合すると言われています。
チートデイで例えば300g分の糖質を余分に摂ったとすれば、その3倍の900gの水が細胞内に取り込まれる計算になり、合計1.2kgほど体重が増えてしまうわけです。
しかしこれはあくまで水分と燃料の貯蔵なので、また通常の食事に戻せば、体がそれらを消費・排出して数日以内に自然と元の体重に戻ります。
同様に、塩分(ナトリウム)も体内に水分を引き込む性質があり、塩辛いものをたくさん食べれば一時的にむくんで体重が増えますが、数日で余分な塩分とともに水も出て行きます。
編集部多くの場合、2〜3日もすればチートデイ前の状態に戻るのが正常です。
体重の数字に一喜一憂せず、「これは想定内の水分増加」と冷静に捉えてください。
翌日は通常の食事に戻すことが重要
チートデイ翌日にやるべきことはシンプルで、「いつも通りのダイエット食に戻す」こと、これに尽きます。
編集部ポイントは「戻す」であって、「極端に減らす」ではない点です。
中には「昨日いっぱい食べちゃったから今日は断食しよう」などと考える人もいますが、それは逆効果なのでやめましょう。
チートデイ翌日は、基本的にいつもの規定カロリー・食事メニューに戻せばOKです。
特別なデトックスや絶食は必要ありません。
チートデイをしたことで体は栄養が満ちて代謝が上がっている状態なので、そのまま通常の減量食に復帰すれば、高代謝を維持したまま再び脂肪燃焼が進むはずです。
もしここで摂取を極端に減らしてしまうと、せっかく上がった代謝がまた下がってしまう恐れがありますし、体調を崩す原因にもなります。
とはいえ、胃腸が重く感じる場合は無理に普段と同じ量を食べなくても良く、質的に元のバランスに戻すという意味です。
例えばチートデイで炭水化物をどっさり食べたなら、翌日は普段どおりタンパク質中心・低糖質メニューに切り替えるといった具合です。
決して「昨日3000kcal摂ったから今日は0kcalにしよう」なんて極端なリセットはしないでください。
水分補給と軽い運動で代謝を促進
チートデイ翌日は、水分をしっかり摂ることと、軽い運動で体を動かすこともおすすめです。
編集部これらは余計な水分や老廃物の排出を促し、代謝促進に役立ちます。
まず水分補給ですが、むくんでいるからと水を控えるのは逆効果です。
むしろ積極的に水を飲むことで、体内の塩分や糖分、アルコールなどを排出でき、結果的にむくみが解消します。
チートデイ翌日は体が食べ物や水分を溜め込んでいる状態ですが、ここで水をしっかり入れてあげると、尿や汗で余計なものが出て行きやすくなります。
無理のない範囲で良いので、普段より意識して水やお茶を飲むようにしましょう。
目安は1.5〜2リットル程度ですが、利尿作用のあるカフェイン飲料よりはノンカフェインの麦茶やルイボスティー、水などが良いでしょう。
次に運動ですが、激しいトレーニングをする必要はありません。
軽い有酸素運動やストレッチ、散歩などで汗をかく程度に留めると良いでしょう。
具体的には、30分〜1時間程度のウォーキングや軽いジョギング、ヨガやストレッチ、ゆるいサイクリングなどがおすすめです。
また、お風呂にゆっくり浸かって汗をかくのもむくみ解消には効果的で、半身浴でリラックスすれば副交感神経が働いて消化も促進されます。
チートデイ翌日は「代謝を上げてデトックスする日」と考え、水をたくさん飲み、軽く体を動かして、溜まったものを出すイメージです。
編集部そうしておけば、増えた体重は2〜3日でスッキリ元に戻るはずです。
まとめ
チートデイの基本は週1回まで、ただし体脂肪率や停滞期の状況によって最適な頻度は変わります。
男性は体脂肪率20%台で2週に1回、15%前後で10日に1回、15%未満で週1回程度が目安です。
女性は30%台で隔週〜10日に1回、25%未満で週1回程度が目安となります。
停滞期のサイン(1ヶ月で5%減、開始1ヶ月経過、2週間以上体重変化なし)が出たら導入を検討し、食べ過ぎず炭水化物中心にバランス良く食べ、曜日を固定して計画的に実施することが成功の鍵です。
チートデイは目的ではなく手段であることを忘れず、戦略的に活用してダイエット成功を目指しましょう。

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