HIFU施術における人体への侵襲性の評価研究【研究紹介】

東京慈恵医科大学医学部医学科形成外科教授の宮脇剛司医師

当院では、この論文を参考に以下の記事を作成しています。

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目次

医療HIFUの実態と安全性に関する最新研究-はじめに

高密度焦点式超音波(医療HIFU)は、集束超音波の熱エネルギーにより体内の組織を高温に加熱・凝固させる技術です。

この技術は、非侵襲的な治療法として医療と美容医療の両分野で広く利用されています。

医療用途では、高密度焦点式超音波療法を用いた前立腺癌局所療法強出力集束超音波を用いた子宮筋腫の無侵襲治療装置と治療法の開発が行われています。

美容医療の用途ではシワやたるみの改善、痩身治療に使用されます。

医療ハイフ(HIFU)は、周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えながら、高精度で患部を治療できる特徴があります。

令和5年(2023年)3月に発表された消費者安全調査委員会の調査結果により、エステサロン等で行われるHIFUによる事故の情報が明らかになりました。

この調査結果や本研究を基に、医療ハイフ(HIFU)の具体的な実態・リスク・安全性について解説します。

また、医療ハイフ(HIFU)の生体への影響や合併症の予防策についても調査し、医療行為としての医療ハイフ(HIFU)の適正性を考察します。

HIFUの基本原理と用途

医療用途

医療ハイフ(HIFU)は、前立腺がんや子宮筋腫、肝臓がんなどの腫瘍治療に使用されます。

医療ハイフ(HIFU)は高精度で患部を狙い撃ちし、周囲の正常組織にダメージを与えることなく、腫瘍を効果的に治療することができます。

例えば、前立腺がん治療では、医療ハイフ(HIFU)でがん細胞を高温で焼灼し、破壊します。

この方法は、放射線療法や外科手術に代わる治療法として、特に再発リスクの低い患者に適しています。

美容用途

美容外科において、医療ハイフ(HIFU)は主に皮膚の引き締めやリフトアップ、脂肪の減少を目的として使用されます。

医療ハイフ(HIFU)は、皮下組織に焦点を当てて加熱することで、コラーゲンの生成を促進し、皮膚の弾力性を高める効果があります。

また、医療ハイフ(HIFU)は表皮を傷つけることなく、ターゲット部分の治療を行うことができるため、ダウンタイムが少なく、即効性が期待できます。

例えば、顔や首の皮膚のたるみを改善するために使用され、超音波が真皮層や筋膜層に到達し、コラーゲン生成を刺激することで、肌の引き締め効果が得られます。

医療ハイフ(HIFU)の施術におけるリスクと安全性

医療ハイフ(HIFU)は高い効果を期待できる一方で、さまざまなリスクが伴います。本研究では、文献分析、実験、アンケート調査の3班に分けて医療ハイフ(HIFU)の安全性を評価しました。

文献分析による評価

文献分析では、ヒトに対する医療ハイフ(HIFU)に関する168の論文をレビューし、医療ハイフ(HIFU)の安全性と有害事象を評価しました。

医療ハイフ(HIFU)では、頸動脈乖離、視力障害、神経麻痺などの重大な合併症が報告されており、これらは特に注意が必要です。

実験による評価

美容用の医療ハイフ(HIFU)を用いた実験では、超音波照射による生体組織の温度分布と熱凝固を解析しました。

神経や水晶体などの組織は、皮膚よりも低温で熱変性しやすく、これらの部位への医療ハイフ(HIFU)照射は厳禁です。

アンケート調査による評価

医療ハイフ(HIFU)を使用した医療機関へのアンケート調査では、481件の回答のうち137件の有害事象が報告されました。これらの有害事象は、熱傷、神経障害、皮膚障害など多岐にわたり、医療ハイフ(HIFU)の施術リスクを示しています。

アンケート調査の詳細データ

評価項目数値
回答数481件
有害事象数137件
有害事象率28.3%
性別(女性)134人(90%)
性別(男性)13人(9%)
性別(不明)2人(1%)
対象疾患たるみ 119件(79%)
対象疾患しわ 27件(19%)
対象疾患脂肪 4件(3%)
部位別(頬部)76件(46%)
部位別(下顎)46件(28%)
部位別(前額部)19件(12%)
部位別(眼部)9件(5%)
部位別(頸部)8件(5%)
部位別(こめかみ)4件(2%)
部位別(耳介後部)3件(2%)
有害事象内容(熱傷)57件(36%)
熱傷の内訳(浅達性II度)47件(81%)
熱傷の内訳(深達性II度)6件(10%)
熱傷の内訳(深度不明)5件(9%)
有害事象内容(皮膚障害)49件(31%)
皮膚障害の内訳(紫斑・皮下出血)19件(39%)
皮膚障害の内訳(色素沈着)10件(21%)
皮膚障害の内訳(膨疹)10件(20%)
皮膚障害の内訳(遷延性発赤)3件(6%)
皮膚障害の内訳(硬結)3件(6%)
皮膚障害の内訳(瘢痕・肥厚性瘢痕)2件(4%)
皮膚障害の内訳(浮腫・腫張)2件(4%)
有害事象内容(神経障害)49件(31%)
神経障害の内訳(知覚障害)29件(59%)
神経障害の内訳(運動障害)20件(41%)
その他の有害事象4件(2%)
飛蚊症2件
白内障2件
唾液腺嚢胞1件

医療ハイフ(HIFU)の合併症とその対策

医療ハイフ(HIFU)の施術に伴う主な合併症には、熱傷、皮膚の色素沈着、神経障害があります。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、以下の対策が必要です。

医療ハイフ(HIFU)の合併症とその対策① 医療ハイフ(HIFU)の適切な機器設定と使用

医療ハイフ(HIFU)の治療は、適切な機器設定と使用方法に大きく依存します。

超音波出力の設定、照射の連続性、施術部位の正確な把握が重要です。

特に、骨や空気の存在による反射波や散乱波が問題となる場合、これらを回避するための適切な出力設定と焦点調整が必要です。

また、超音波照射の深さや範囲を正確にコントロールすることで、意図しない組織への影響を防ぐことができます。

医療ハイフ(HIFU)の合併症とその対策② 施術者の解剖学的知識と技術の向上

医療ハイフ(HIFU)の施術者は正確な解剖学的知識を持ち、トランスデューサーの適切な使用方法を習得することが不可欠です。

特定の部位への医療ハイフ(HIFU)照射は、解剖学的リスクを理解した上で行う必要があります。

例えば、神経が密集する部位や骨が近接する部位への照射には特に注意が必要です。

適切なトレーニングを受けた施術者が行うことで、合併症のリスクを大幅に減少させることができます。

医療ハイフ(HIFU)の合併症とその対策③ 施術環境の整備

医療ハイフ(HIFU)の施術環境の整備も重要です。

超音波ジェルの適切な使用やエアポケットの防止により、焦点深度のずれを最小限に抑えることが必要です。

また、施術中の患者の体位やトランスデューサーの保持方法にも注意を払い、一定の圧力で均一に超音波を照射することが求められます。

これにより、皮膚障害や熱傷などのリスクを軽減できます。

医療ハイフ(HIFU)の施術の人体への安全性に関する結論

医療ハイフ(HIFU)施術は高い治療効果を期待できる一方で、適切な知識と技術が必要な医療行為です。

本研究の結果、医療ハイフ(HIFU)には医行為に該当する部分が多く、その安全性と有効性を高めるためには、施術者の技術向上と適切な機器管理が不可欠であると結論付けられました。

施術に伴うリスクを最小限に抑えるためには、「機器の適切な設定・施術者の解剖学的知識の充実・施術環境の整備」が重要です。

医療ハイフ(HIFU)の今後の展望

医療ハイフ(HIFU)の安全性をさらに高めるためには、さらなる研究と教育が必要です。

医療ハイフ(HIFU)の施術者の技術向上とともに、機器の改良や新しい技術の導入が望まれます。

例えば、自動化された超音波焦点調整技術や、より精密な出力制御機能を備えた医療ハイフ(HIFU)の開発が進められています。

また、医療ハイフ(HIFU)のガイドラインの整備も進行中であり、これにより施術の安全性と有効性が一層向上することが予想されます。

当記事の執筆者
カンナム美容外科の編集部
現役看護師
カンナム美容外科
編集部
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経歴・詳細
当記事の編集部は、国立大学の看護学部を卒業後、同大学院にて看護管理学を修了。大学病院で集中治療室(ICU)の看護師として経験を積み、重症患者のケアや急性期医療に精通しています。その後、看護師の経験を活かしてカンナム美容外科のコラム編集部に参画しています。

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